ファストファッションという言葉をきいたことはありませんか?
ファストファッションとは、最新のトレンドを取り入れた洋服を低価格で提供するファッションのことです。
最新のトレンドを低価格で楽しめるなんてメリットばかりだと思いますよね。
私も学生時代は新作が出る度、バイト代を持ってお店に通っていました。
ファストフッションの何がダメなの?
実は、近年ファストファッションが原因で深刻な環境問題が起きているのです。
この記事を読めば、ファストファッションがなぜ環境問題を引き起こしているのか、環境問題を解決するために企業が行っている取り組みについて知ることができます。
私たち個人ができる取り組みも紹介します。では、ファストファッションが引き起こす環境問題への取り組みについて理解を深めていきましょう!
ファストファッションによる環境問題への取り組み
ファストファッションは、最新トレンドを取り入れたデザイン、ある程度良い品質の洋服を低価格で手に入れられますよね。
そんな便利なファストファッションを、日頃から利用されている方も多いのではないでしょうか。
ファッションは自己表現の一つですし、なにより、自分の好きな洋服を着ることで、様々な自分になれるので気分がいいですよね。
良いところばかりに見えるファストファッションが原因で、深刻な環境問題が起きています。
そこで、この現状を改善しようとファストファッションブランドをもつ企業が様々な取り組みをしていますよ。
今回は3つのブランドが、どのように環境問題に取り組んでいるのか紹介しますね。
- ユニクロ
- ジーンズの仕上げ加工の際に使用する水の量を、最大99%削減している。
- RE.UNIQLO回収ボックスを店舗に設置して服を回収し、リサイクルしている。
- 無印良品
- オーガニックコットンや再生コットンを使用している。
- H&M
- 化学物質規制リストを作り、有害物質を制限してる。
- オンラインショッピングで使われる包装を紙製に変更している。
ユニクロ
ユニクロといえば、ヒートテックとエアリズムですよね。
冬はヒートテックで温まり、夏はエアリズムで涼しく過ごしている人は多いのではないでしょうか。
私は寒がりなので、冬はヒートテックの超極暖を毎日着ています。
ヒートテックがないと冬をどう越せば良いのかわかりません(笑)
ユニクロは、着回ししやすいシンプルなデザインの上、着心地が良く、コスパが良いですよね。
そんな、誰もが知っているユニクロもファストファッションが引き起こす環境問題へ取り組む企業の一つです。
様々な取り組みがありますが、今回は2つ紹介します。
<ジーンズの仕上げ加工の際に使用する水の量を、最大99%削減>
この数字は2017年メンズレギュラーフィットジーンズ、2018年同型商品と比較した数字です。
ジーンズは、染色と洗浄など大量の水を使って作られているのですが、ユニクロでは、なんとティーカップ約1杯というほんのわずかな水の量で仕上げているのです。
<RE.UNIQLO>
RE.UNIQLOは、私たちが使わなくなったユニクロの服をリサイクルして、新しい服にするという取り組みです。
現在、使わなくなったユニクロのダウンを回収し、ダウンとフェザーの100%リサイクルするという取り組みが始まっています。
リサイクルすることによって、生産過程で排出されるCO2の量を約20%削減することができるそうです。
回収方法は、店舗に設置されているRE.UNIQLO回収ボックスに商品を入れるだけです。
RE.UNIQLO回収ボックスには、ダウンだけでなく、ユニクロやジーユーで買った商品を入れることができます。
なんと、インナーやソックス、グッズなども入れていいそうです。驚きですよね。
回収された洋服は、リユースとして難民キャンプなどの支援として届けられたり、リサイクルとして、燃料などとして活用されたりしています。
私は、ユニクロのウルトラライトダウンを長年愛用していますよ。
処分するときはRE.UNIQLO回収ボックスに入れ、少しでも環境問題の改善に貢献できたらと思います。
無印良品
無印良品は、ミニマリストの方や丁寧な暮らしをしようとしている人に人気ですよね。
私も無印良品に、靴下やスキンケア用品、文房具など買いに行きます。
デザインがシンプル、最低限なので年齢を問わず、ずっと使えるというところが好きで定期的に通っています。
無印良品は、約20年前から不揃(ふぞろ)いバウムや不揃(ふぞろ)いりんごなど、味に関係なく見た目のせいで商品になれなかったものも商品化して”もったいない‘’を減らしていますよね。
そんな昔から製造工程のロスを考えていた無印良品は、ファッションの環境問題に対してどのような取り組みをしているのでしょうか。
無印良品は「コットン」についての取り組みに力を入れています。
<オーガニックコットン>
現在の無印良品の衣料品には、オーガニックコットンが使われています。
オーガニックコットンとは、化学農薬の使用による影響をなくし、労働者の健康に配慮されており、遺伝子組み換えの種子を使わずに作られた綿のことをいいます。
オーガニックコットンと認められるには世界基準をクリアして認定を受けたものだけがなれるのです。
一般的な綿のほとんどは、農薬や化学肥料、水も大量に使い栽培されているため、栽培は環境問題を引き起こす一因になっています。
オーガニックコットンは環境に配慮して栽培された、厳選された素材なので、生産は難しく世界の綿の生産量の1%も満たないです。
無印良品は、そんな生産が難しいオーガニックコットンを使って、衣料品を作ることで環境問題の改善に取り組んでいます。
そして、生産が難しいオーガニックコットンの栽培を支援するため取り組みも行っています。
それは、Tシャツ1枚を販売するごとにコットンの種を生産者の方に無料で提供するという取り組みです。
つまり、私たちが無印良品でTシャツ1枚買うごとにオーガニックコットンの生産を支援することができるということです。
<再生コットン>
無印良品の衣料品には再生コットンも使用されています。
再生コットンとは、Tシャツやタオル、寝具カバーなどの生産工程で生まれた生地の端切れを手作業で仕分けした後、粉砕して綿状に戻し、未使用の綿と混ぜて撚(よ)って作った糸です。
すでに染色してある生地の端切れや糸くずから作るので、染色する必要がありません。
なので、染色する際に必要なCO2の削減にもつながります。
再生コットンはオーガニックコットンの糸くずや端切れからできているので、オーガニックコットン100%使用の製品ができますよ。
H&M
H&Mで買い物をしたことはありますか?H&Mは、奇抜で派手なデザインのアイテムが多いというイメージがありますよね。
実際、有名デザイナーやアーティスト、話題の映像作品などとのコラボ商品も取り扱っているので派手なものが多いです。
ですが、着回ししやすいベーシックなアイテムの取り扱いもあり、幅広いデザインのファッションが楽しめるブランドです。
おしゃれさんが通うH&Mは、環境問題に対してどんな取り組みをしているのでしょうか。
様々な取り組みがありますが、今回は主に2つ紹介します。
<化学物質規制リストを作り、有害物質を制限>
化学物質規制リストを作り、有害物質を制限するという取り組みです。
製品を染色、プリント、洗濯するときに、化学物質規制リストに定められた厳しいチェック項目を満たさなければならないとしています。
H&Mは、1995年に最初に化学物質規制リストを作った企業の中の1社です。
<オンラインショッピングで使われる包装を紙製に変更>
オンラインショッピングで使われる包装を紙製にするという取り組みです。
2020年にプラスチック製買い物袋の有料化が始まってから、買い物するときは、エコバッグを持参するか、有料のレジ袋が必要になりましたよね。
しかし、オンラインショッピングで買い物をすると、ダンボールの中にビニールの包装で商品が届きますよね。
H&Mは、その不要な使い捨てプラスチックをどうにか削減できないだろうかと考えました。
そして、2021年10月より、公式オンラインショップでの購入商品を紙製の包装で配送することを開始したのです。
その紙製の包装も再利用、リサイクル可能だそうです。先の先まで考えられていて驚きました。
包装は、商品を最良の状態で顧客に届けるために重要ものです。
商品を保護するには耐久性のあるプラスチック製の包装が最適なため、その代わりを見つけるのはかなり困難だったそうです。
しかし、H&Mは、製品輸送時に耐えられる、そして、FSC認証を取得した方法で調達されたバージンパルプを使った紙製の包装を使うことでこの困難を解決しました。
FSC認証は、森の生物、地域の人々や労働者の権利を守りながら、適切に生産された製品を消費者に届けることを証明された製品に取得が許されるマークです。
FSCマークがついている製品を選ぶということは森林保全につながりますよ。
私は、次買い替えが必要な衣類ができたらH&Mのオンラインショップで購入してみようと思っています。
ファストファッションが引き起こす環境問題の現状
ファストファッションは低価格で最先端のトレンドを提供してくれるので、消費者である私たちは手軽にファッションを楽しめるというメリットがありますよね。
しかし、その裏でファストファッションが引き起こす環境問題の現状は深刻なものになっています。
国連は、ファッション業界が世界2位の汚染産業としています。
ファッション業界の中でも、大量の洋服が短いスパンで入れ替わっていくファストファッションが大きな影響を与えているのです。
このファストファッションが引き起こす環境問題の現状がこちらです。
- 服の大量生産と大量消費が繰り返される現状
- 綿花栽培によって消費される大量の水と農薬
一消費者として、目を背けてはならない問題ですので、最後まで読んでいただきたいです。
服の大量生産と大量消費が繰り返される現状
ファストファッションは最先端のトレンドを取り入れた商品を提供できるように、春夏秋冬で新商品を出すのではなく、一週間ごとに新商品を出すようになりました。
そして、より低価格の商品を提供できるように大量生産するようになっていきました。
大量生産すれば、洋服を作る1枚あたりにかかるコストが少なくて済むからです。
大量生産の結果、日本で一年間に捨てられる新品の洋服の枚数は10億枚です。
生産された新品の洋服の4枚に1枚は破棄されています。
この現状は、消費者の最先端のトレンドを取り入れた服を、少しでも安く買いたいという私たち消費者の期待に応えるためにアパレル業界が動いた結果なのです。
最先端のトレンドを取り入れるということは、買った洋服を着る期間は短くなり、すぐに捨てられてしまうということですよね。
捨てられた後の洋服は約66%が焼却され、その結果大量のCO2が排出され、環境問題をより深刻化させているのです。
綿花栽培によって消費される大量の水と農薬
コットンは、冬は保温性があるため暖かく、夏は吸水性や通気性に優れているため涼しい素材ですよね。
コットンは植物由来で、化学繊維ではないのだから環境にやさしいのでは?と思う人も多いでしょう。
しかし、コットンの原材料である綿花の栽培には、大きな環境負荷が生じているのです。
綿花の栽培では大量の水が消費されます。Tシャツを一枚作るのに消費される水の量は約2700リットル、ジーンズの場合だと約7500リットルもの水が消費されます。
7500リットルは人間の飲み水に換算すると8〜10年分になります。ものすごい量ですよね。
綿花の栽培は水資源が少ないインドなどで盛んに行われています。
なので、このまま綿花の栽培を続けていると、周辺地域の野生生物や住民は十分な飲料水が確保できなくなってしまいます。
私たちが、大量に使用している洋服影響で、水不足という命に関わるような環境問題が起きているのです。
綿花の栽培で起きる環境問題は、大量の水が消費されるだけでなく、栽培の際に使用される化学物質により土壌や水源が汚染されるという問題もあります。
綿花が世界で一番殺虫剤を使う農作物ということは知っていますか?
綿花の栽培には世界の殺虫剤の16%が使用されています。
綿花の耕作面積世界一のインドでは、水不足と同時に上水道の70%が汚染されています。
これにより毎年推定約20万人の人が亡くなっており、これには綿花の栽培に使用する殺虫剤の影響も含まれていると推測されています。
目を覆いたくなるような現状ですが、これがファストファッションを楽しむ私たちの裏で起きている環境問題の現実なのです。
ファストファッションの環境問題で私たちにできること
ファストファッションの環境問題で私たちにできることは4つあります。
ファストファッションが引き起こす環境問題を改善するためには、企業の取り組みだけでなく、私たち一人一人できることをやっていくことが大切です。
服を長く大切に着る
今までトレンドを追うために洋服を買い替えていた人は、今購入しようとしている洋服が長く着続けることができる洋服なのか考えてみて下さい。
洋服を買い換えずに、一着を長く着ることができれば捨てる洋服が減りますよね。
今の自分に似合うかどうかも大切ですが、これから先の自分にも似合うかどうか考えて購入してみましょう。
一歩立ち止まって考えることが、私たちにできることなのです。
必要最低限の服だけでワードロープを作る
必要最低限の服だけを厳選してワードローブを作りましょう。
洋服の必要最低限って?どうやって選べばいいの?と悩んでいる人はこれから紹介するチェック項目をみて洋服を選んでみて下さい。
1.気に入っている洋服ですか?
買ったとき高かったから捨てるのがもったいない…という理由で残しているものは手放しましょう。
2.最後に着たのはいつですか?
2年以上着ていないものは手放しましょう。2年以上着ていないということはその服がなくても問題ないです。
3.サイズは合っていますか?
痩せたら着るからとっておこうというのはあるあるですよね。
いつくるか明確でない日のために残すのはやめましょう。
4.自分に似合っていますか?
自分に似合っているかどうか、立ち止まって考えてみて下さい。
自分のなりたいイメージに沿っているか、今の他の洋服とコーディネートが組みやすいか、いろいろな角度から「似合う」を考えましょう。
手持ちの洋服を減らしたらコーディネートの幅が狭まっちゃうからいやだな…
私は、洋服がたくさんあるからコーディネートを組むのが楽しいのだと勘違いしていた時期がありました。
そして、ファストファッションが引き起こす環境問題について知ってから、私にできることはなんだろう?と考え、クローゼットにある服から本当に必要な服だけを厳選しましたよ。
手持ちの洋服が少なくなったとき、もうファッションを楽しめないかもと思いました。
しかしそんなことはなく、必要な服を厳選してから、試行錯誤してコーディネートを組むという、また違ったファッションの魅力に気づくことができましたよ。
必要最低限の洋服だけをクローゼットに残して、あとは古着屋さんに出すか、リサイクルボックスに入れましょう。
それだけで、ファストファッションの環境問題へ貢献したことになります。
フリマアプリを利用する
古着屋さんやリサイクルショップに持っていくには点数が少ないし、面倒だな…
フリマアプリで洋服を売ることもできますよ。フリマアプリなら、出品するタイミングや金額も自分で決めることもできます。
洋服を出品するのにおすすめのフリマアプリはこちらです。
メルカリ
メルカリは、月会費、会員登録、クレジットカード手数料も無料で始めることができるフリマアプリです。
かかるのは販売手数料が10%と送料のみです。私も始めるのにお金がかからないというところに魅力を感じ、利用しています。
株式会社メルカリの代表取締役会長兼CEOである山田 進太郎氏は、メルカリは「限りある資源を循環させ、あらゆる人が可能性を発揮できる未来を創る」としています。
メルカリは、「メルカリエコパック」など、梱包材のゴミによる環境問題への取り組みを行っていますよ。
ヤフオク
ヤフオクはインターネットオークションサービスです。
オークションサービスなので思ったより高い金額で落札されるなんてこともありますよ。
私も利用していますが、匿名配送が採用されているので、個人情報などが相手に知られてしまうという心配はありません。
ヤフオクの出品システム利用料は無料ですが、落札されると利用料が発生するので注意が必要です。
PayPayフリマ
PayPayフリマはPayPayで支払いや売上金の受け取りができるので、普段からPayPayを利用する人に向いていますよ。
販売手数料が販売価格の5%なのがうれしいですね。
あなたが必要ないと思ったものでも、他に必要としている人はいるかもしれません。
フリマアプリはスマホ1つで簡単に出品することができるので、着なくなったけどゴミに出したくないという洋服がある人は、一度挑戦してみて下さいね。
環境問題の改善に取り組む企業の製品を購入する
環境問題へ取り組んでいる企業で洋服を購入して、その企業を応援しましょう。
私たちが環境問題の改善のためにできることは本当に小さなことですよね。
ですが、企業は個人ではできないような大きな貢献をすることができます。
環境問題の取り組みに共感できる企業へ投票するような気持ちで、洋服購入するというのも私たちができることの一つかもしれませんね。
まとめ
- ファストファッションが引き起こす環境問題に対して企業は様々な取り組みをしている。
- ユニクロは、ジーンズの仕上げ加工の際に使用する水の量を最大99%削減に成功している。
- RE.UNIQLOは、私たちが使わなくなったユニクロの服をリサイクルして、新しい服にするというユニクロの取り組み。
- 無印良品は衣料品にオーガニックコットン・再生コットンを使用する取り組みをしている。
- H&Mは、化学物質規制リストを作り有害物質を制限したり、オンラインショッピングで使われる包装を紙製に変更したりしている。
- ファストファッションが引き起こす環境問題の現状は深刻なものになっている。
- 大量生産の結果、日本で一年間に捨てられる新品の洋服の枚数は10億枚です。
- 綿花の栽培では大量の水が消費Tシャツを一枚作るのに消費される水の量は約2700リットル、ジーンズの場合だと約7500リットルもの水が消費されている。
- 環境問題のためにできることは、服を長く大切に着る、必要最低限の服だけでワードローブを組む、フリマアプリを利用するなどがある。
ファストファッションが引き起こす環境問題に対しての取り組みを紹介しました。
私たちがファッションを楽しんでいる裏で環境問題が起きているということを知っていただけたでしょうか。
まずは、ひとりひとりできるところからはじめませんか?
環境問題のために、環境問題へ取り組んでいる企業ブランドで洋服を購入して、その企業を応援するということも私たちができることの一つです。
洋服を買うとき、捨てるときにこの記事のことを思い出していただけたら幸いです。
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